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「人が死ねばお山に行く」
イタコの口寄せで有名な霊場・恐山(おそれざん)。
子どものころからいろいろな人に
恐山は実に恐ろしい、おどろおどろしい場所だと
聞かされてきました・・・
恐山は死者の霊魂が集まるところなのです。
いざ訪れてみると
確かに殺伐とした恐ろしい雰囲気のところなのですが、
それよりもにんげん存在の悲哀を感じる場所でした。
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恐山に近づくと、
硫黄のにおいが立ち込めて
窓を閉め切った車のなかからでも
それがわかりました。
車を降りると
より強く硫黄臭が漂ってきました。
まず、最初にしっかりとお祈りをさせていただきました。
亡くなった子どものおもちゃ?である
キューキューと回る風車(かざぐるま)の音が
しずかに、また耳につくように
響いている荒涼とした場所でした。
時折、かすかな風の音も聞こえました。
積んである石には
「春正(仮名)へ お母さん また会いにきたからね」
なんてマジックで書いてありました。
恐らく、我が子を先に無くした母親が
息子の魂に会いに恐山にきたのでしょう。
夜になると子供たちの泣き声や笑い声が
聞こえるという言い伝えもあるそうです。
合掌。
イタコさんがいたら
死者の霊魂を呼び寄せてもらおうとも
思っていたのですが、やっぱり怖いので
イタコさんがいなくてよかったような、
よくなかったような・・・
複雑な気持ちです(笑)
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宇曽利湖(うそりこ)は恐山の中でも
天国になぞらえられた場所なのですが、
湖畔である賽の河原に立つと、チャプチャプという
繰り返す細波の音が気持ちよかったです。
ところどころ白っぽく澄んだ
エメラルドブルーの湖面の上には
とんぼがたくさん飛んでいて独特の風情でした。
ブログを書いていて、
いつも自分の文才の無さに絶望するのですが
この恐山も自分で実際に行ってみないと
そのすばらしさも存在感も
理解できないと思います。
ブログは常に無力です・・・
そして、恐山は
観光地ではなく、祈りある霊場であるのです。
(パンフレットより)
時代がいかに移り変わろうと、
人々のけっして尽きることのない
安らかな生と死への願いがある限り、
霊場恐山は信仰の光を灯し続けるのです。
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むつ市内~恐山への途中に冷水(ひやみず)がありました。
冷水とは天然の湧き水のことです。
流れる水を手で触ってみるととても冷たかったです、
飲もうとも思いましたが、
このご時世、何かあるといやなので、
残念ですが飲むのはやめました。
飲んだらさぞかし美味しかったんだろうなあ~
こう見えても、けっこう僕は慎重派なんですよー
それから、恐山の位置ですが、
率直に言って、遠いです。遠い、遠い。
場所が半島(下北半島)なので、
恐山を通ってどこか次の場所へ抜けるというルーティングが
とりづらく、どうしても行って帰ってこなくてはなりません。
ところが、高速道路もないので
青森や盛岡が基点だと往復で1日がかりになります。
要注意ですよ。
ですが、
僕は1日がかりでも恐山に行ってよかったです。
あの清浄な風光は、
訪れて、祈った人にしかわからないと思います。
ブログをみても、
本を読んでも、テレビを見ても
わからないんだと思います。
キュー キュー キュー
というセルロイドの風車(かざぐるま)の音が
今も耳について離れません。
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硫黄の噴出し口に置かれ変色した小銭(お賽銭?)
▼今回の東北旅行コース
霊場恐山
東北観光大使 ・村内伸弘@ムラウチ ドットコム
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