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ジャカルタ路地裏(カンポン)フィールドノート / 倉沢愛子

ジャカルタ路地裏(カンポン)フィールドノート / 倉沢愛子 中央公論新社

中国、インド、アメリカに次ぎ、世界第4位の人口を抱えるインドネシア。
アジアの人口順では第3位)

今年に入って、

オーストラリアシンガポール再シンガポール

香港(ホンコン)フィリピンベトナム
アジア・太平洋の国々を自分の目で見て、
自分の体で感じてみようということで、訪問してきてますが、
この世界第4位の人口を抱える大国に僕はまだ行ってないんですよねっ!
 
近いうちに、視察してきたいと思っています。
もちろん、バリ島とか、ジョクジャカルタとかの観光地ではなくって、
ずばり首都・ジャカルタに行くつもりです。

何ごとも事前の勉強や調査こそが大切ですので、
まずは、ドッサリとインドネシア本やジャカルタ本を
買い集めました(笑い)

ネットの情報ももちろん頼りになりますが、
やはり、まだまだ紙の書籍の方が情報の質も量もいいです。
さあ、買った本をどんどん読んでいきます ^^
  
 
ということで、
最初に読んでみたのが、
この「ジャカルタ路地裏フィールドノート」です。
2001年3月に出版された本ですので、
情報が10年くらい前なのですが、
インドネシアの路地裏(カンポン)での人びとの暮らしが
手に取るようにわかって、
とても参考になりました。

著者の倉沢愛子さんは
ご家族の反対を押し切って、自身でカンポンの中に
住居を新築して、“住み込み取材”のようなスタイルで
隣組・カンポンに生きるインドネシアの人びとの暮らしを
詳細、克明に綴っています。
読んでいて、まるで目の前で、
インドネシアの人たちが、
笑い、怒(おこ)り、ケンカしているかのような
錯覚にすら陥ります。
 
 
実際に、カンポンというのはどんな場所なのか、
倉沢さんの表現を借りると、
家の戸を閉ざさず、家の前の路地に張り出して煮炊きをしたり、
洗濯をするような生活。あるいは、共同の井戸を使って、
炊事、洗濯をするような生活だそうです。

でも、ここカンポンは
決してスラム街や貧民街ではなく、
総じて貧しいのは事実ですが、
ある程度の所得がある人や、学歴がある人なども住んでいて、
10年前の調査ですが、70%以上の世帯にテレビもあるそうです。
(冷蔵庫は30%、電話は20%、洗濯機は3% etc)
職種や文化的背景も様々だそうです。

また、インドネシアの隣組は単なる親睦的な組織ではなく、
国によって法的に規定され、体系化され、全国各地同じような形で作られ、
同じようなやり方で機能しているそうです。
政府の考えを伝え、地域の治安を維持することを
巧妙に行なう目的も秘められているそうです。

ここインドネシアでは経済成長に重点を置くあまり、
インフラの整備や社会福祉政策が置き去りになっていて、
このカンポンという共同体の中では色々な点で
住民間の相互扶助が必須の状態になっているみたいです。

それから、インドネシアでは
出産時の母親の死亡率がとても高いとか、
義務教育なのに、一通り読み書き計算ができるようになると
小学校から遠のいてしまう子が多いとか、
逆に学歴志向が強く、受験戦争は激しいとか、
社会の中にさまざまな矛盾が存在しているのです。

面白かったのは、ドラえもんなど日本のアニメや漫画、
そして、ニンテンドウのテレビゲームなど日本の文化が
洪水のように溢れ、浸透しているそうです(笑)
子供たちはイスラム教のコーランの塾よりも、
こっちの方が好きなんだそうです。
子供は、いずこも同じですね(^^)
 
 
あと、想像もつかないのが、
イスラム教の「ラマダン(断食月)」です!
1ヶ月続く断食月の間、イスラム教徒は
日の出から日の入りまで、食べ物、飲み物、煙草などを
一切口にしてはいけないそうです。
これはキツいですよね!!
食事は日の入り後に食べ、日の出前に食べなくては
ならないので、睡眠時間も少なくなってしまうそうです。
ですので、断食月は空腹や睡魔とみんな闘わなくてはならないから、
人びとの活動が鈍り、社会全体の動きがなくなってしまうそうです。
宗教行事とはいえ、禁欲的で敬虔な暮らしは厳しいものですね。
見習わなくては・・・

それから、そのラマダンとも関係ありますが、
日本では宗教というのは、どうしてもお年寄りが熱心で、
古風で時代遅れなものと思いがちですが、
ここインドネシアでは 1960年代末ごろから
青年たちを中心に社会全体でイスラム教への信仰が強まってきたそうです。

倉沢さんは、これを、
スハルト大統領が国民を統制可能な体制に取り込むため
イスラムを活用したのではないかとか、
経済発展とグローバリゼーションの中で、イスラムが
人びとの精神的拠り所となり、インドネシア人としての
帰属意識の結集点になったのではないかなどと分析していました。
この辺は、日本にいては絶対に理解できない点だと思います。
人間の集団は摩訶不思議です。。。
 
 
倉沢さんが、カンポンに暮らすインドネシアの人びとと
「同じ目線」、「同じ喜怒哀楽を持って」綴ったこのフィールドノート、
文章が堅苦しくなくって、スイスイ読めました。

政府の統計や指標などをまったく使わず、
ただただ、カンポンの中での出来事や、
カンポンに住む庶民の日常生活を描いている
“完全下から目線”、“完全草の根目線”に仕上がっていて、
読み終えると、なんだかインドネシアの人びとのことが、
やけに身近に感じられました。
そして、やけにいとおしく感じられました。

そうですよね、
僕ら日本人も、インドネシア人も
おんなじ人間ですもんネ!
おんなじ星に住んで、
おんなじ思いで生きてるんですよね。

ジャカルタ路地裏(カンポン)フィールドノートは
僕をそんな気持ちにさせてくれました。

ありがとうございました。
 
 

古本を買ったんですが、帯の裏に
「経済2の2 香田麻衣」って書いてありました。

70' 11. 12 日社大 大学祭にて アンミツ」の時も
そうでしたけど、古本を買う楽しみってコレですよね、コレ(笑)

麻衣ちゃんは一体今どこで何をしてるんでしょうか!?
インドネシアに渡っていってしまったのでしょうか!

(僕が読んだインドネシアの本)
ジャカルタ路地裏(カンポン)フィールドノート / 倉沢愛子

アジア遊学 No.90 ジャカルタの今を読む / 勉誠出版

アジアの大都市[2] ジャカルタ / 大阪市立大学経済研究所[監修]

インドネシア イスラーム主義のゆくえ / 見市 建

インドネシアを知るための50章 / 明石書店

インドネシア 再生への挑戦 / 石田正美編 アジア経済研究所

2009年インドネシアの選挙 / 本名 純・川村 晃一編 アジア経済研究所

インドネシア 多民族国家という宿命 / 水本 達也

インドネシア進出 完全ガイド / 編著 黒田法律事務所

(参考)
じゃかるた新聞 インドネシア最新ニュース

インドネシアジャカルタジェイピープル

よろずインドネシア Yorozu Indonesia

ジャカルタ ジャパン クラブ(JJC)

インドネシア文化宮 - インドネシア METRO TV(メトロテレビ)東京支局

インドネシア共和国文化観光省

ガルーダ・インドネシア航空

在インドネシア日本国大使館

インドネシア共和国 - 外務省

インドネシア - 海外安全ホームページ

インドネシア - ジェトロ(日本貿易振興機構)

インドネシア語技能検定試験 - 日本インドネシア語検定協会

インドネシア - Wikipedia

村内伸弘@ムラウチ ドットコム

 
 

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