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インドネシア イスラーム主義のゆくえ / 見市 建

インドネシア イスラーム主義のゆくえ / 見市 建  平凡社選書

 

世界三大宗教といえば、 
仏教、キリスト教、イスラム教。

インドネシア国民の 90%はその世界三大宗教のひとつ
イスラム教の教徒です。

日本の仏教、日本のキリスト教は、
仏教伝来が 538年、キリスト教伝来が1549年と
それぞれ長い歴史があり、
この国にしっかりと根付いてきましたが、
ことイスラム教に限っては、僕ら日本人にとって
まったく未知の部分が多いのが実際です。

インドネシアという、世界最大のイスラム教国を
訪れるにあたって、イスラム教のことをまったく
理解していないのはまず過ぎるということで、
「インドネシア イスラーム主義のゆくえ」という本を読んでみました。

この本の出版は 2004年8月。
そして、この本の内容は著者の見市さんが出版前の 10年弱の間に
日本とインドネシアを往復したり、ジャワに限らず、東カリマンタン、
スラバヤ、ロンボクなどの地方をまわりながら考えたことの成果です。

ざっと読んでみて、お陰様である程度はインドネシアの
イスラムのことを理解することができました!
やっぱり本は偉大です。本こそが知識の泉です。

ひとことで言うと、イスラム主義とは
目の前にある諸問題の原因を非イスラム的な現実に求め、
「真正」なイスラムを取り戻すことによって個人や家族、
社会や国家を改革し、発展させようというイデオロギーのことです。

現行の政治や社会制度に対する強い不満があって、
それに代わるものとしてイスラム的な制度の導入が提起されるそうです。
イスラム共同体の強化と拡大を至上課題とし、
イスラムの宣教とイスラム法の実行、
究極的にはイスラム法を施行するイスラム国家の樹立を
目指しているそうなのです。

このように本の内容は、インドネシアのイスラムについて
とてもよくまとまっていて良かったのですが、
やはり、僕らにとって縁遠いイスラム教の単語(ことば)が
頻繁にでてくるので、なかなかスッとは頭に入らないのが
けっこう参りました (◎_◎;)

例えばですねぇ、ザッと
こんな単語が本の中いたるところに出てきます(笑)
  ↓↓↓↓↓
ムスリム ←イスラム教徒

シャリーア ←イスラム法

クルアーン ←アッラーの啓示

ハディース ←ムハンマドの言行録

スンナ ←ムハンマドの慣行

フィクフ ←法学

ビドア ←習慣

マッカ ←メッカ

マディーナ ←メディナ

ウラマー ←イスラム法学者・教師

キャイ ←イスラム法学者・教師-ジャワでの呼び方

ハッジ ←イスラム巡礼者

スーフィズム ←イスラム神秘主義

ダッワ ←宣教

ウンマ ←イスラム共同体

ジハード ←聖戦、努力

ムジャーヒディーン ←ジハードの遂行者

パンチャシラ ←建国五原則

アミール ←最高指導者

イバダート ←信仰儀礼、神への服従

タウヒード ←包括性

カラーム ←イスラム神学

カリフ ←神の代理人、ムハンマドの後継者

アダーラ ←正義、公正

タウヒード ←イスラムの完全性、包括性

プサントレン ←イスラム学校

ファトワ ←法的判断

ハラーム ←禁止

どうですか?
まさにこれらの耳慣れない単語群こそが、
僕ら日本人が疎遠にしているイスラムの生きたことばです。
なかなかスッと頭に入らないのですが、
しばらく読み続けているとなんとなく
イスラムの香りは感じられるようになってきますので
まあそれでよしとしたいと思います。

42年間、縁がなかったイスラムですから、
これから徐々にその良いところやキラリと光るところを
吸収していきたいと思います。
 
 
なお、その他にも
2002年10月12日のバリ島での爆弾テロ事件(死者200人以上)や
2003年8月5日のジャカルタ・マリオットホテル爆破事件などとその影響、
イスラムとインドネシアという国の政治と社会の関係、
イスラム復興や過激化とその背景、
スハルト体制の崩壊と地域紛争の頻発、
ジャマーア・イスラミヤ(JI)のネットワーク、
穏健なイスラム主義や学生の宗教運動、
左翼思想(イスラム左派)やポップなイスラムなどなど
いろいろな話もまとめて読めたので面白かったです。

アア・ギムという 40歳代前半の宣教師が社会階層を超え、
穏健派から急進派まで漏れなく大人気になっている
ところなどは面白くって、蛍光ペンのマーカーだらけになってしまいました。

結論としては、一口にイスラムと言っても、
その中にもいろいろな考えがあり、
インドネシアの歴史や伝統、風土に合わせた展開が必要で、
その時々の政治環境にも大きく影響を受けて
変容していくということがわかりました。

宗教もやはりにんげんが主役なわけで、
実に人間っぽいですね!

(僕が読んだインドネシアの本)
ジャカルタ路地裏フィールドノート / 倉沢愛子

アジア遊学 No.90 ジャカルタの今を読む / 勉誠出版

アジアの大都市[2] ジャカルタ / 大阪市立大学経済研究所[監修]

インドネシア イスラーム主義のゆくえ / 見市 建

インドネシアを知るための50章 / 明石書店

インドネシア 再生への挑戦 / 石田正美編 アジア経済研究所

2009年インドネシアの選挙 / 本名 純・川村 晃一編 アジア経済研究所

インドネシア 多民族国家という宿命 / 水本 達也

インドネシア進出 完全ガイド / 編著 黒田法律事務所

(参考)
じゃかるた新聞 インドネシア最新ニュース

インドネシアジャカルタジェイピープル

よろずインドネシア Yorozu Indonesia

ジャカルタ ジャパン クラブ(JJC)

インドネシア共和国文化観光省

ガルーダ・インドネシア航空

在インドネシア日本国大使館

インドネシア共和国 - 外務省

インドネシア - 海外安全ホームページ

インドネシア - ジェトロ(日本貿易振興機構)

インドネシア語技能検定試験 - 日本インドネシア語検定協会

インドネシア - Wikipedia

村内伸弘@ムラウチ ドットコム

 
 

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