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凄みがある「内訟録 - 細川護熙総理大臣日記」 (細川護熙)

使用カメラ: OLYMPUS PEN Lite E-PL1 使用レンズ: M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8

「内訟録」を読み終え、“内閣総理大臣の顔つき”っぽくなった僕

でも、実態は“会社内掃除大臣(そうじだいじん)”ですw
 
 
小泉官邸秘録 (飯島勲)」、
構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌 (竹中平蔵)」などを
読んだときにも感じましたが、
最高権力者の生き様に接すると、
震えるような狂気を感じるのは僕だけでしょうか!?

それでも、上の 2冊は最高権力者本人ではなく、
その側近が書いた本なのですが、
この「内訟録(ないしょうろく)」は
時の最高権力者、内閣総理大臣が
その在任中の様々なできごとに対しての苦悩や決断、
赤裸々な本音を綴った日記ですので、
その価値や迫力にはすばらしいものがあります。
読めばすぐにわかりますが、
圧倒的な凄みを感じます。
 
 
また、17年が経過したとはいえ、
まだ、政界の第一線で活躍している現役の政治家に
対する生々しい記述も多数見受けられ、驚きを禁じえません。

特に当時の小沢一郎新生党代表幹事と武村正義官房長官との
権力闘争などの描写はものすごいリアリティーで
読んでいて思わず背筋がゾクゾクしました。

変革の政治家から寂静の芸術家へ “細川君が総理になったのは細川家の長い歴史が生んだ運命的出会いである。 今や達観して、寂静の境に身を鎮めている” 中曽根康弘

 
このように中曽根元首相が書いたように、
達観している人でなければ、ここまで露骨な内容の日記を
存命中、また、他の多くの関係者が健在の時には
発表できないのではと思います。

寂静の境に身を鎮めている細川元首相ならではの
快挙だと思います!
 
 
あとがきにもありましたが、
細川さんが外交や現在の政治に与える影響に配慮し、
公開を見合わせる判断をした一部の記述を除き、
ほとんどが原文のまま掲載されているそうです。

日経の政治面に掲載された首相動静(首相の一日)が
その日付の日記と合わせて掲載されているので、
公式日程と非公式の裏のできごとの対比もできて
当時の官邸の舞台裏の全体像がとてもわかりやすいです。

また、関係者の証言もバランスよく併記されていますので
これも、権力というものの多面的な理解に役立ちます。
 
 
非自民・非共産の連立政権だった
細川内閣の時に起きた、
ウルグアイ・ラウンドでのコメ自由化(市場開放)、
小選挙区比例代表制導入の政治改革法案、
国民福祉税構想、内閣改造問題(武村外し)などの
各政治課題での各政党間、各政治家間の攻防はすさまじいものでしたが、
それらに取り組む細川さんの肚(はら)の座りようは尋常じゃなく恐ろしい感じでした。
その取り組みの様子は、リーダーとしての
交渉、調整、決断などの参考に大いになるはずです。

また、総理の職を辞するという自らの出処進退に関しては
細川さんは潔いというか、淡白というか、
賛否両論があると思いますが、
その判断の基準はやはりリーダーシップのなんたるかを
学びたい方にとって、1つのヒントになるのではないでしょうか?
 
 
以前、「吉田松陰 留魂録」の記事でも触れましたが、
僕は本を読むときに、下記 1、2、3の本しか読みません。

 1. 歴史上の人物や一流の人物本人が書いた本
 2. 1.の人物の弟子・秘書・家族など身近な人が書いた本
 3. 1.の人物を真に理解できる素養を持った人が書いた本

この内訟録は、まさに 1に該当し、
かつ、後から思い出して書いたものではなく、
細川さんがその在任中、毎日メモし続けていたものですので、
(なんらかの改ざんや修正が本当に行なわれていないとするならば)
1.の中でも特にその歴史的な価値が高く、
かつ、政界、官界、経済界をはじめ、さまざまなリーダーの方々、
そしてリーダーを目指している方々にとって
一読する価値は高いと思います。
 
 

内訟録 細川護熙総理大臣日記 細川護熙 著 / 伊集院敦 構成  日本経済新聞出版社

(参考)
1992年5月の「日本新党結党宣言(細川護熙)」

小泉純一郎首相、殺されてもいい気構え

小泉官邸秘録 (著者:飯島勲)

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌 (竹中平蔵)

都知事選 元首相脱原発コンビ 細川・小泉元総理の街頭演説

「命の限り 蝉しぐれ」 石にかじりついても職責を尽くす気概 (中曽根元首相)

人間は、やっぱり出来損ないだ。田中角栄元首相

 
 
村内伸弘@ムラウチ ドットコム

 

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