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惻隠の情 (弱者・敗者への涙)

ベストセラー「国家の品格」の著者である藤原正彦さんの講演を
聞くことができました。

まず結論。
とっても良かったです、すばらしいお話でした。
特に僕が感銘を受けたのは「惻隠の情(そくいんのじょう)」という言葉です。
新渡戸稲造(にとべいなぞう)はこれを最高の美徳としたそうです。

惻隠の情とは、弱者や敗者にいたわりや尊崇の念を持つといった意味です。


市場経済による弱肉強食の現代ニッポンだからこそ、
社会的弱者や敗者へ涙を流す惻隠の情(武士道精神)が貴重なんだそうです。
確かにホリエモンや村上ファンドに代表される
“拝金主義”がはびこってしまった感がある我が国には
惻隠の情が必要に思えますネ!

僕が子供の頃でも人前でお金の話をすることは
汚いことだと教えられてきましたが、
いつの間にかお金になびく人たちが讃えられ、
自らの信条を貫き、痩せ我慢する人がバカにされる
“金銭崇拝”の時代になりました。

藤原さんは、昔の日本はそうじゃなかった、
武士は高い倫理道徳基準で貧しくても尊敬されていた。
やせがまんの精神が国家に品格をもたらしていた。と教えてくれました。
「金持ちであることは偉いこととは関係がない」という意識を
日本人全員が持っていて、もっとも金銭至上主義から
遠い国が江戸や戦前までの日本だったそうです。


穏やかな国柄(くにがら)をもつ日本人に生まれた真の意味は、
この惻隠の情を世界や人類に広めることにある。
誇りと自信を持って国家の品格を守ることにある。

最後に藤原さんがこの言葉で講演を締めたとき
会場は割れんばかりの拍手の嵐になりました。
僕も、両手で思い切り拍手をしました。すごく良い話でした ^^

すでに「国家の品格」を読んでいる方には、
今更な話だと思いますし、
いろいろな考え方や視点(論点)、批判もあると思いますが
せっかくお話をナマで聞く機会があったので
一個人としてブログにしたためてみました。

(参考)

青年よ大志を抱け!Boys, be ambitious. 青年よ大志を抱け!Boys, be ambitious.全文

青年よ 大志を抱け! 新渡戸 稲造 - Boys, Be ambitious! Inazo Nitobe Boys, Be ambitious! Inazo Nitobe (新渡戸 稲造)

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