君や来し 我や行きけむ 思ほえず
夢かうつつか 寝てか覚めてか (伊勢斎宮恬子内親王)
つかの間の儚い逢瀬のあくる朝、
伊勢斎宮恬子内親王(やすこないしんのう)が
在原業平 (ありはらのなりひら)に贈った歌です。
恬子内親王は伊勢神宮に奉仕する清らかで神聖な皇女、
「伊勢物語」第六十九段に出てきます。
あなたが来たのか、わたしが行ったのか
お逢いしたのは夢だったのか、現(うつつ)だったのか
眠っていたのか、目覚めていたのか
時は平安。
伊勢の国。
人々が寝静まった頃、
業平の許を訪れる恬子内親王。
おぼろな月明かりの中の密やかな一夜のロマンス。
【2007年 11月26日 追記】
【2007年 11月27日 追記】
お伊勢参り:おかげ座(参宮歴史館)で知る江戸時代の人々の楽しみ
(参考)
・春過ぎて 夏来るらし 白栲(しろたえ)の 衣干したり 天の香具山
・花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
村内伸弘@ムラウチ ドットコム