道がつづら折りになって、 いよいよ天城峠に近づいたと思う頃・・・・
という有名な書き出しで始まる川端康成の永遠の青春小説
「伊豆の踊子」を久しぶりに読みました。
20年ぶりくらいだと思います。
20年前に読んだとき、読後に
思わず涙したことを思い出しました。
40に近くなった僕ですが、この小説を読み始めると
だんだんと20年前の気持ちに近づいていく不思議な感じになりました。
川端康成のうつくしい日本語、
そこに描かれた伊豆の風光や叙情、
そして主人公や踊子の純情。
この小説が生まれた
大正という時代がもつやわらかな空気が見事に伝わってきます。
「いい人ね」
「ほんとにいい人ね。いい人はいいね」
これまた踊子の有名な台詞(セリフ)などを読むと
胸が張り裂けんばかりになります!
汚れ過ぎてしまった自分が嫌になります(笑い)
淡い恋心が揺れるさま、
青春文学ここに極まれり。といった感じです。
物語の終わり、東京へ戻る汽船の船室の中で
主人公が感じた甘い心地よさ、
主人公が出まかせにした涙に僕は永遠の美しさを感じました。
20年前も同じでした。
ご存知のように伊豆の踊子は映画にもたびたびなっていて
田中絹代、美空ひばり、吉永小百合、山口百恵など
そうそうたる女優達が踊子を演じています。
映画も見てみたいですね。
それから、主人公の学生と踊り子が歩いた伊豆の道を
いつの日か実際にたどってみたいです....
みずみずしい大正の香りを胸に吸い込みながら・・・
(参考)
・能年玲奈ちゃんは現代の踊り子だと思う。
村内伸弘@ムラウチ ドットコム